みなさんこんばんわ。たぬきちです。
先日のレビューに引き続き、今夜はS&T製スプリングフィールドM1903の基本整備をしていきましょう。
まずマガジンから行きましょう。
このモデルでは給弾不良の事例が散見されますね。
この個体でも多重給弾の症状が時折でましたので改善しましょう。
原因はマガジンの給弾口のゲートが狭いことだそうで、これを削ります。
給弾口とは逆側の端にある二つのネジを抜くと後端のパーツが外れますので、そのままスプリングも引き抜いてしまいましょう。
胴体部分も引き抜けますのでそれも抜きます。
そのあと、給弾口がわの三つのネジを抜くと完全分解となります。
この中央に見えるパーツの半円形の部分を棒やすりでやすって広げましょう。
このくらいまで削ったところ、給弾不良は出なくなりました。
地味でかんたんな作業ですが、効き目は大きいですね。
さて、それでは本体をばらしていきましょう。
まずはストックを分解してはだかにしましょう。
先端側から、写真中央に見える二つのネジを抜くと、留め具が外れます。
中央部にあるこちらの留め具も外しましょう。
胴横に見える黒いパーツはストッパーですので、ネジを緩めたらこちらを押しながら留め具をずらして外します。
すると、ぱっかーん!と上下に分割されます。
銃口側にある二つのバレル留めの金具を無くさないようにしましょう。
続いて側面のネジを抜きます。
トリガー上のネジは飾りネジですので抜く必要はありませんので、ストックに見えている前側のネジを抜きます。
ちなみに、今回のロットではトリガーガード下にこんな印刷がありました。
前回ロットでは『MADE IN CHAINA』とあったので、それよりはマシですが。
何となく雰囲気を壊していて、いただけませんねぇ。
さて、ストックを外すことが出来ました。
次は機関部とバレルを分割しましょう。
分割するには、首元にあるイモネジを外します。
左右外すと、ごそっと抜けます。
ごそっ。
まずはインナーバレル&チャンバーの整備をしましょう。
ホップレバーを外しましょう。
前回ロットと同じく、金属製のものでしたのでまずは一安心ですね。
これを止めているネジを外し、レバーを外してしまいましょう。
そうしたら、マガジンの受け皿になっているこの部品を外します。
アウターバレルと結合している二つのネジを外すと取れます。
はい取れた!
ここまで外すと、チャンバー&インナーバレルがするするっと抜ける・・・はずだったのですが。
なんと、全く抜けません!
開口部からポンチなどを使って多少打ち込んで抜きましたが、どうやらチャンバーの工作精度がいまいちだったらしく、継ぎ目がずれて盛り上がっていました。
本当に素手では全く抜けなくて、こんなこともあるのかと思いました。
しかし、サプライズはこれでは終わりません。
今回のロットは波乱含みですね。
(この個体だけかな?)
苦労して引き抜きましたので、チャンバーの外郭も研磨しておきました。
こんなところを研磨することになるとはねぇ。。
柔らかい材質の金属なので簡単に削れます。
さあ、気を取り直して進めましょう。
チャンバー外郭にある四つのネジを外すと、チャンバーは二つに割れます。
ぱかっとな。
給弾ルートにゲートを抑えているスプリングがあるので、飛ばしてなくさないように気を付けましょう。
インナーバレルを銃口側から覗いたところです。
年輪のように見える輪っかもきれいに見えていますので、ゆがみはほぼないようですね。
しっかりバレル内部のクリーニングをしておきましょう。
長距離をまっすぐ飛ばすポイントはいくつもありますが、基本に忠実に、地味で着実な整備をしていきましょう。
さてここで今回一番のサプライズが発覚しました。
頼みの綱のホップパッキンが割れております(滝汗;;;;
なんですとーーーー!!!???
いやこれは困った。
このパーツ、S&Tのオリジナルパッキンなんですよ。
という事は、簡単には替えが手に入らない。
この時点で取りうる方策は二つ。
このパッキンを直して再利用するか、マルイ純正パッキンを流用し、加工して使うか。
試しにマルイの純正パッキンを付けてみたところ、新事実が明らかになりました。
前回ロットではマルイ純正パッキンはホップ山の位置が違っていてこの製品には無加工では使えませんでしたが、今回のロットではホップ山の位置はマルイと同じになっておりました。
そういう事ならとりあえず、マルイ純正パッキンで組んでみましょうか。
しかし問題がもう一つ。
マルイ純正パッキンの内径は6mmよりも少し大きく、はだかのパッキンにBB弾を載せると無抵抗で通過しますね。
しかしS&Tのパッキンは内径が6mm弱。BB弾をただ載せても通過しないのです。
しかるに、シリンダー先端のノズルの直径が細く、マルイのパッキンだと気密が取れずに初速が大幅低下してしまうのです。
ようするにこういう状態です。
これじゃ気密もへったくれもありませんね。
これにも実は対応策があります。
ノズルに熱収縮チューブをかぶせて太くしてしまうのです。
以前情報収集している際にどなたかのブログで見かけた方法です。
うろ覚えでしたが、ものは試しなのでやってみましょう。
熱収縮チューブを適度な長さに切ってかぶせ、ライターであぶります。
このままだとパッキンに食われて内部で外れてしまうので、瞬間接着剤をノズルにまんべんなく塗ったくって一気に装着します。
さてこれでひとまずチャンバーの整備は完了です。
本当に大丈夫かな。どきどき。
箱出しの初速が85m/s程度だったので機関部も整備して初速調整をするつもりでしたが、いっぺんにやってしまうとマルイパッキンに交換したチャンバーの気密が取れているのかどうか検証できませんので、これでいったん組み上げます。
組み上げ後、初速を計測したところ、ゼロホップで92m/s程度と、一割ほどパワーアップしてしまいました。
うーん微妙。
これ以上の初速を目指すとなると、限界値とのせめぎあいでシビアな調整になりますね。
機関部の全バラシをするかどうかは検討の余地がありそうです。
ひとまずこれで様子を見ましょう。
マウントレールを装着し、スコープはレトロ感のある20mm径の細いスコープを選びました。
このスコープですが。ピカティニー規格ではない17mm程度のレール幅対応なので一般的なウェポンレールには搭載できませんが、なぜかこのM1903のマウントの土台の幅にぴったりです。
なので、土台に挟んで締め込んで固定しています。
こんなのでも、スコープを持って振り回したりしなければ外れることはないので十分です。
やっぱりM1903にはこういう細い径のスコープが良いですね。
イルミネーションも何もない安物のスコープですが。
小さな径で見にくいところも、覗いた時に見える図像のヘリがすこしゆがんで見えるところもなんだか時代観めいたリアリティがあって気に入っています。
さて、ひとまず組みあがりました。
なかなかかっこいいじゃないですかー。
たぬきち的にはアリですね。
安さも性能のうちです。
屋内の廊下で8m程度先のターゲットを撃ってみましたが、委託なしの立射で5発、2cm以内くらいのグルーピングでした。
整備内容から考えても、ひとまず上々でしょう。
あとはシューティングレンジに持って行ってみないとわかりませんね。
さてさて。
今回もいろいろと困らせてくれましたねぇ。
でもそういうのも良いんですよね。
一つ一つクリアして、磨き上げていく過程が実に面白みがありますね。
シューティングレンジでもきっと一筋縄じゃ行かないんだろうなぁ。
わくわく。
たぬきちはよほどMな性分なんでしょうかね。
ま、今夜はこの辺にしましょう。
今宵も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
たぬきちでした。